kintoneなどのIT製品を提供するサイボウズには、外部のエンジニアの存在が欠かせません。システムコンサルティング本部 デベロッパーリーディング部の古田麻依は、エンジニア向けのマーケター。サイボウズ製品を社外から支える数多くの技術者を、様々な施策で支援してきました。

前編の「サイボウズは全く活用されないオンラインコミュニティをどう復活させたのか?では、オンラインコミュニティを、リアルイベントとの相乗効果で活性化させる手法について紹介しました。続く後編では、サイボウズの企画に欠かせない「コンセプト」を中心に、イベント運営を効率化する仕組みづくりについて話します。

ある時、メールをいただきました。「kintone devCampに参加したいです。でも、東京でやるんですよね。遠くて行けないんです。東京以外で開催しませんか?」

当時の私の回答は、「すいません、東京、大阪以外での開催予定はありません。」でした。すごく心苦しかったのを今でも覚えています。本当にそれでいいのか、と思い「出張devCamp」を企画しました。

コンセプト=「誰に、なんと言ってほしいか」


サイボウズの企画の根幹は「コンセプト」。「誰に、なんと言ってほしいか」を明文化し企画をします。

「誰に」はその企画のターゲットであり、「なんと言ってほしいか」はターゲットに提供する価値を意味します。コンセプトがあれば理想を明確にして、活動に一貫性をもたせることができます。チーム内での理解・共感も得られやすくなります。

サイボウズ社内には本当にコンセプトの考え方が根付いています。もしコンセプトなしで社長の青野に企画書を提出しようもんなら絶対「で?誰になんと言ってほしいの?」と怒られると思います(笑)。

出張devCampでは、まず「もっとkintone(サイボウズ)を身近に感じてもらおう!」と思い企画を始めました。物理的に遠い人々の近くに行き、身近に感じてもらいたい。

次に「誰に」を決めます。東京や大阪に比べ、地方はカスタマイズの経験があるユーザーさんが少ない。だから今回のターゲットは「kintoneカスタマイズ初心者のエンジニア」です。

そして「なんと言ってほしいか」は、「今日をきっかけにやってみるね。また開催して!」です。こうやってコンセプトを明文化することによって、チームの理解も進みます。問題が起こった時にも、ここに立ち戻って改善することができます。


れは社内運営メンバー用のkintoneスペースです。どんな時もコンセプトが意識できるように、大きくお知らせの欄に書き込んであります。

データ収集と振り返りの徹底がイベント改善の鍵


イベントを開催したら、その度にアンケートを必ず取っています。「こういう感想がありました」「よかったね」で終わらせないために、分析と振り返りを行います。



アンケート結果はkintoneのアプリで管理しています。ちゃんと数値とグラフで表現し、コメントを付けることで、共感・理解してもらいやすくなります。そして、KPTKeep, Problem, Try)の方式で振り返りを行います。


サイボウズでは、KPTでの振り返りをkintoneのアプリで仕組み化しています。まず1つ目のKeepに良かったこと、続けたいことも登録。振り返りだからといって、悪いことだけ登録するとモチベーションが下がりますよね。Keepを書くことで、「あ、よかった点もあったね!」と気づくことができます。

一方で、アプリにProblemを選択して書き込むこともできます。Problemには、「なぜそう思ったのか」もいてもらいます。

最後に、必要であればTryの欄に改善案を書き込みます。上下2つの枠がありますが、上の枠は各自で考えた改善案の登録に使います。その後、「こんな問題点があったよ。Try案もみんな書いているけど、どう思う?」と話し合うミーティングを開き、下の枠に「みんなで決めたTry」を登録します実行するのは、「みんなで決めたTry」の方です。こうすることで、みんなが納得した状態で改善案を実行することができます。

「コンセプト」が達成できたかアンケートで確かめる


出張devCampの参加者は、今だいたい10名から15名です。昨年の11月に開催した札幌を皮切りに、福岡、名古屋、こないだは韓国でも開催してきました。

私は「今日をきっかけにやってみるね!また開催して!」と言ってもらうことをコンセプトに、イベントを行ってきました。実際にアンケートを取って、ありがたい言葉もらうことができました。

「福岡でもこのようなイベントをたくさんやって欲しいです。ありがとうございます。」「次回も是非参加させていただきたいです。」

kintone devCampでは、「これまで私たちが会えていなかった人々」に出会うことも目的の一つでした。福岡と名古屋のdevCampでは、「今まで参加したことありますか?」という質問に、大半の人が初めてだと答えてくださいました。

こうして無事に目標、コンセプトを達成することができたかなと思います。

devCampやオンラインコミュニティは、いつも理解して協力してくださっている、たくさんの方々がいて成り立っています。本当に感謝しています。

サイボウズのイベント・コミュニティ運営で大切な5つのこと


最後に、私がイベント・コミュニティ運営で大切だと思っている5つのことをご紹介します。 

1つ目は「まずやってみる」こと。説得や承認を得るのは大変ですが、やってみないと分からないことってあります。だから「誰に」「なんと言ってほしいか」を考えて、どうにかできないか、もがいてみることです。

2つ目は「データの可視化」です。データは持ってるだけではダメ。データを共有することで、メンバーの理解・共感を得られやすくなります。データをグラフなどで可視化してチームに共有することで、新しい意見が生まれるかもしれません。

3つ目は「アンケートに答えてもらう」ことです。アンケートではなく、口頭でのフィードバックやハッシュタグでのつぶやきでもかまいません。参加・関与してくださる人たちの実際の声があれば、次回に生かすことができます。

4つ目は「振り返り、そして実行」です。振り返りで満足してしまったらそこで終わりです。改善まで行かないんです。振り返りをして、ちゃんと次回は実行することが大切です。

5つ目。これが、私が一番大事にしていることです。「実際に会う」こと。何かのタイミング、ポイント、節目で実際に会って私がどんな人間か見ていただく。そうすることで、もう一歩進んだ繋がりをつくれると思います。

本日は最後までご清聴いただきありがとうございました。


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